4月から新しい職場に異動する。福島での4年間で多くのことを学んだ。三春の患者さんと与えられた責任が、私を育ててくれた。米国留学時代、「家庭医療の指導医になるにはどうすればよいか」との私の問いに、ミシガン州立大学家庭医療科主任教授のDr. William Wadlandは、「まずレジデンシーで研修しなさい。それから10年間開業しなさい (practice for ten years)」と言った。管理者ではないが、4月から開業医療の一端に携わる。旅立つ道の先に何があるのか、自分の目で確かめてみることにする。
2012年3月18日日曜日
2012年1月29日日曜日
ナラティブ・メディスン―物語能力が医療を変える
著者によれば、ナラティブ・メディスン(物語医療学)は、ナラティブ・コンピテンス(物語能力)を通じて実践される医療と定義される。病いの物語を認識し、それを読み取り、解釈し、それに心動かされるという、ナラティブ・スキル(物語技能)を用いて実践される医療である。そして、物語能力は、精密読解、パラレル・チャートなどの方法を通して磨くことができるという。
本書の核心は、医療における関係性、臨床実践を、語り手と聴き手(あるいは著者と読者)の関係として捉えるところにあると思う。それは、語り手と聴き手の間の相互作用的で協働的なプロセス、共同生成する対話のプロセスである。物語能力を磨くことで、患者の病いの物語を満たす容器(flask)となり、自分自身を治療手段として用いることができるようになるという。
臨床家として、学ぶところが多いと思う。
Rita Charon
医学書院
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